サイエンスの香りがする日記

実体験や最新の科学技術をコミカルに綴ります。

統計検定の試験会場で神さまから試練を与えられた。

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神よ、なぜ僕にこんな試練を与えたもうか。

 

人は言う。神は試練を乗り越えられる者だけに試練を与えると。





だが、僕は言いたい。





神様は難易度設定をよく間違える。




これは僕が統計検定2級を受験してきたときの話だ。

 

統計検定2級というのは、大学1、2年生レベルの統計学の試験だ。全て選択問題ではあるが、数値計算用に電卓の持ち込みが許可されている。

 

いまさら計算に電卓かよ!とツッコミたくなったが、ルールなので仕方ない。家の奥底から久しぶりに電卓を取り出した。

 

試験会場は明治学院大学。キレイな女子大生が歩いているキャンパスで、なんだかいい匂いがした。あぁ、今日は良い事ありそうだなぁなんて気分になった。

 

試験会場の教室に着くなり僕は目をつぶった。試験開始まで目をつぶって集中力を高める。これが僕のルーティンなのだ。

 

周りの受験生たちは電卓をカタカタ叩いて試験直前まで勉強のようだ。



アホだな。



僕はそう見下したように小さくつぶやいた。試験前に脳を疲れさせてどうする。試験に脳のピークを持っていくんだ。

 

僕はいつものように深呼吸をした。

 

すーーー、はーーー、すーーー、はーーー。

 

僕は自分の集中力とモチベーションが徐々に高まってくるのを感じていた。

 

そして、僕は心の中でつぶいた、




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**1

 試験はまだですか、監督!!



集中力が、最高潮に高まってきた瞬間、



「試験開始で〜す。」



試験監督の合図と同時に、会場中で問題冊子をめくる音が鳴り響いた。

 

さぁ、戦いの開始だ!

 

僕はおもむろに電卓に手を伸ばし、電源ボタンを押した。

あれ?ディスプレイに何も表示されないぞ??



もう一度だ。電卓の電源ON!

ディスプレイが真っ暗なままだ。

電池が切れてるやないかーーーい!!!!




ヤバイヤバイヤバイ。



どうしよ、どうしよ、どうしよ。



電卓無しなんて無理無理無理無理無理!!



あぁ、なんで試験前に電卓を触っておかなかったんだ!



くそぉぉぉ!!!



神さまぁぁぁぁ!!!



もう困った時の神頼みしかない。普段は信仰心のかけらもない僕だが、困った時は頼らせてほしい!助けて神さま!



神さま!一回だけでいい。ザオラルを唱えさせてください!電卓を生き返らせたいんだ!





ザオラル!!





しかし、でんたくはいきかえらなかった。





くそぉ!間違えた!ザオラルじゃなくて、ザオリクにすべきだった!神さまもう一回だけ!お願い!!






ザオリク!!!






しかし、MPが足りない。




くそぉ!ザオラルで無駄にMPを使ってしまった!ってこんなアホな事を考えてる場合じゃない。




 ヤバイヤバイヤバイ。



どうしよ、どうしよ、どうしよ。



電卓無しなんて無理無理無理無理無理!!




その時である。



僕の目にとまったのは、





太陽光パネル



これだ!コイツに頼るしかない。シャープ製の太陽光パネル。こいつの発電性能を信じるしかない。






教室の蛍光灯たちよ、







ちょっとずつでいい、

 

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**2

 オラに電気を分けてくれ!!








しかし、でんたくはいきかえらなかった。





くそぉ!ってこんなアホな事を考えてる場合じゃない。

 

ダメだ、焦っちゃダメだ。まずは深呼吸で心を落ち着かせよう!



ひっひっふーー、ひっひっふーーー!




しまった。焦って深呼吸じゃなくラマーズ法をしてしまった。



違う違う!ラマーズ法じゃない!ちゃんと深呼吸をしよう。



すーーー、はーーー、すーーー、はーーー。



深呼吸のおかげで落ち着いてきた僕は、過去問を解いていた時を振り返ってみた。問題の傾向を思い出すと、統計検定といっても数値計算が必要な問題ばかりではなく、式展開や知識だけで解ける問題もあるのだ。

 

電卓無しで解ける問題から先に手を付ける。これが焦りの中で辿り着いた戦略だ。

 

僕は一気に最終問題まで駆け抜けた。意外なことに、問題の1/3くらいは解くことができた。

 

合格基準は正答率7割だ。これはいけるかもしれない!

 

僕は最初の問題に戻り、手計算を始めた。主な計算は小数の四則演算だ。

 

こんなの小学校か中学校以来だが、逆境に置かれて高まった集中力のおかげで僕は次々と問題を解いていった。



これはいける!いけるぞ!!



僕は合格の2文字が目の前に来ていることを感じていた。




そう思った矢先である。



僕を絶望のドン底に叩き落とすアイツが現れたのだ。



アイツの存在を忘れていた。



僕はアイツを目の前にして震え上がった。




そう、アイツの名は、、、、







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**3

       平 方 根!!!




手計算で平方根なんて出せるかぁ!!!



電卓が動いていれば ” √ ” マークのボタンを押せば一瞬で計算できる平方根。手計算ではそんな簡単なもんじゃない。



え?オレは頭の中で計算できるよって?



僕だって4の平方根は2で、9の平方根は3だって分かっている。



じゃあ、



0.0178の平方根はなんだ?





0.1334だ。




そんなの分かるかぁ!!!



僕は平方根の計算が必要な問題を前にして手が止まってしまった。



その時である。



「試験時間終了で〜す。」



無念のタイムアップ。



ふーーーーー。



僕は大きくため息をついた。



ニコニコしながら帰っていく周りの受験生を横目にしながら、僕は小さくつぶやいた。



神さま、、、、



難易度設定が間違っているよ。




【引用】

**1 スラムダンク

**2 ドラゴンボール

**3 ドラゴンボール

 

 

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