「今後、益々のご活躍を祈念いたします。」
就活生を失意のどん底に落としてきた”お祈りメール”です。不採用を通知するメールの最後はお祈りで締めるのが慣例です。
就活中は僕も数々の企業からお祈りされてきました。お地蔵さんでもないのに。
「今後、益々のご活躍を祈念いたします。(ただし、うちではなく他の会社でな!!)」
こんなお祈りメールを受け取るたびに、少しずつ僕の心は蝕まれていきました。それでも、歯を食いしばって努力を続けるしかありません。「内定」という文字を見るまで。
自己分析、業界分析、自己PR文の作成、面接の練習。
辛い日々でしたが、少しずつ結果が出るようになっていきました。
1次面接で落ちていたのが、2次面接に行けるようになり。2次面接で落ちていたのが、最終面接に行けるようになり。少しずつ「内定」というゴールに向かってステップアップして行ったのです。
そして、遂にその日はやって来ました。お祈りメールから脱却する日が。
その日、最終面接の部屋から出た僕は小さくガッツポーズをしました。
これは間違いない。あの面接官の最後の笑顔は間違いない。
こんなに手応えを感じたのは初めてでした。家に帰った僕はPCを開き、メールを確認しました。そこには「採用試験結果」というタイトルのメールが届いていたのです。
緊張で震える手で何とかメールをクリックしました。
「今後、益々のご活躍を”記念”いたします。」
字を間違えてんじゃねーーーよ!!!!!!
さすがの僕もキレました。こんなにも舐められるのかと。
負けられないという気持ちに火が付いた僕は、その熱意が伝わったのか、次の採用試験で見事に内定を勝ち取りました。僕に足りなかったのは心の底からの熱さでした。
今では感謝しています。あのメールを受け取った日は、僕の中に熱意が生まれた大切な”記念”日になったのですから。
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