サイエンスの香りがする日記

実体験や最新の科学技術をコミカルに綴ります。

生成AIと僕たちはどう生きるか。

 

僕らがスクロールするインスタグラムのフィード、眺めるYouTubeの動画、読むニュース記事。それら全てが生成AIによって生み出されたものだとしたら……

 

ChatGPTを始めとする生成AIが社会を席巻しています。文章から動画まで次々と生成されていっています。


僕なんかがブログを書こうと思ったら数時間仕事です。ところがChatGPTなら1分やそこらで1記事を書き上げます。馬と車のように、生産効率が人間よりも圧倒的に高いのです(質は別の話ですが)。


Open AIのChatGPTは2021年9月までのデータのみを利用してモデルを作っています。サム・アルトマンがサボっている訳ではありません。2021年9月以降は、生成AIが生み出したデータが爆発的に増えています。人間が作ったデータを主な学習データにするためには、最近のデータは使えないのだろうと考えられるわけです。


ただし、そんな制約もそのうち取っ払われるでしょう。そうすると、生成AIが作ったデータを学習して、生成AIが新しいデータを作る。そのデータをまた学習して、新しいデータを生成する。そんなサイクルが次々と回っていきます。


やがてネット上に溢れている情報のほとんどは生成AIによって生み出されているという状況がやって来ます。


もはや自分で作り出したもの以外は、どれが人間の手によるものか確証が持てません。

 

「教養としての生成AI」の筆者でありプログラマーの清水亮氏は、AIを「思想を映す鏡」と評しています。現実世界を精緻に模倣する鏡なわけです。


僕らはその鏡を便利ツールとして使ってきました。ところが生成AIが作るデータが溢れてくると、鏡を覗いているつもりが、自分が鏡の中にいるかもしれないのです。その時に僕らは、鏡が歪んでいるかの判断がつくでしょうか。


では一方で、現在、僕ら人間が生み出しているデータが全て真実に基づいていて歪んでいないかと問われたら、答えに窮するでしょう。


特にSNSが普及してからは、フェイクニュースが大量に生産されて問題になっています。


例えば、新型コロナワクチンにはマイクロチップが入ってるとか、福島県産の食品を食べるのは危険とか、小泉進次郎氏が原発処理水の安全性アピールに福島でサーフィンしたとか、そんなフェイクが飛び交っています(最後のはホントの話か……)。


むしろ人間が生み出したデータの方が歪んでいて、生成AIはそれを補正する役割かもしれません。

 

まぁ、そんなわけで生成AIによって社会がどう変わっていくかは全然読めません。


ただ、出生率を基に人口動態を高精度で予測できるように、データの生産効率から、ネット上に新たに生み出されたデータのほとんどが生成AIによるものになるでしょう。

 

そのほとんどはガラクタで見向きもされないかもしれないし、僕らが熱狂するものが生み出されるかもしれません。


僕らは否が応でも、生成AIとどう生きていくかを考えさせられる事になりそうです。

 

 

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