サイエンスの香りがする日記

実体験や最新の科学技術をコミカルに綴ります。

母乳派にからまれたので反撃した。

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この世の人々は2つの宗派に分けることができる。


それは、赤ちゃんを育てる際に母乳だけを良しとする母乳純愛派と、粉ミルクも利用するミルク容認派である。


議論が噛み合わないため、これらの宗派は実りのない衝突を起こすことがある。


厚生労働省が母乳育児もミルク育児も赤ちゃんの成長に差は無いという発表をしており、ミルク容認派の僕には、宗派間の対立はとても不毛に見える。


ところがだ。


ゴールデンウィークに栃木を旅行している際に、母乳純愛派と一戦交えてしまったのだ。


今回の旅行では、ミルク作製用の粉末を忘れてしまい、仕方なく妻子をホテルに置いて、僕だけ粉末を買いにスーパーへ向かった。スーパーで粉末を手に取りながら、僕はふと考えた。


粉末を買うよりも、最近日本で解禁された液体ミルクを買った方が楽なんじゃないかと。粉ミルクは熱湯の準備などが面倒なのだ。


店内を見回してみたところ、液体ミルクが見つからなかったため、店員さんに「液体ミルクはどこですか?」と聞いてみた。


と、その時。


近くにいた見知らぬおばちゃんが突然口を挟んできた。


「液体ミルクってなんだい?」


最近発売されたばかりなので、おばちゃんは存在を知らなかったようだ。僕は液体ミルクが何たるかを簡単に説明してあげた。すると、


「最近の若い子はミルクばっかりでダメだ。おっぱいが1番だろう。」


まさかこんな所で母乳純愛派の一員に遭遇するとは。


僕もある意味でおっぱいが1番なのは同意するが、育児に関してはミルクもおっぱいも大して差は無いと思っている。


その後も母乳純愛派のおばちゃんはおっぱいの栄養が赤ちゃんにとって最高だとか、ミルクは体に悪いだのと主張してくるのだ。


僕もある意味でおっぱいが最高なのは同意するが、栄養に関してはミルクもおっぱいも大して差が無いと思っている。


今思えば、おばちゃんのミルク批判を僕も無視すればよかったのだが、この時は母乳純愛派に一撃食らわしてやろうなどと思ってしまったのだ。


その時、思い出したのが、あのワードである。昔から言いたいと思っていたあのワードを叩き込むタイミングではないかと。僕は全力で彼の顔マネをしながらこう言った。

 

 

 

 

「それ、あなたの感想ですよね?」

 

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2chの元管理人ひろゆき氏が生み出したパワーワードであり、論客を一撃でマットに沈める言葉のクロスカウンターだ。


何のデータも無しに自己主張してくる人に効果テキメンの返し技である。


テレビでひろゆき氏が発言するのを見てから、いつかは現実世界で使いたいと思っていた。まさか田舎のおばちゃん相手にお見舞いすることになるとは。


母乳純愛派をのさばらせておく訳にはいかない。そう思いながら、完璧な手ごたえに勝利を確信していた僕だったのだが、、、


「あんた何言ってんの!わたしゃ子供5人、孫7人育ててんだよ。私が言うことが正しいに決まってるでしょ!」


おばちゃんまさかのノーダメージ。


しかも意外とデータ数が多い。


クロスカウンターでも何でもなかった僕の猫パンチが癇に障ったのか、その後おばちゃんから更なる"感想"の波状攻撃をくらうことになってしまった。


結局、僕が「すみませんでした」と言ったところで試合終了のゴング。


母乳純愛派に一撃を食らわすつもりが、返り討ちにあうとは。僕は逃げるようにホテルへと帰っていった。


やはり喧嘩なんか仕掛けるもんじゃない。そう思いながらホテルに到着した。


ホテルに帰ってきた僕の顔を見るや否や、妻が笑顔でこう言ったのだ。


「スーツケースの奥にミルクの粉末をちゃんと入れてたよ。私えらいでしょ?」


僕が天を仰いだのは言うまでも無い。

 

 

このままだと、日本に未来はないよね。

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